アラームを止めたらまずコーヒーを。目覚まし機能付きコーヒーメーカー。
イギリスはロンドン発『Barisieur (バリシーア) 2.0』が先行販売中とのことで、早速送っていただいた。開封した瞬間は、一体どのように使うかさっぱり分からなかったが、簡単に言うと、アラーム機能が備わったコーヒーメーカーだ。
斬新な機能性が詰まっている分、税込73,400円 (クラファン中は58,800円) とコーヒーメーカー界でもハイエンド。加えて一度に1杯のみの抽出のため万人にはおすすめできないが、この筐体に惹かれる人はぜひ最後まで読んでみてほしい。
Barisieur 2.0 – Kibidango 公式サイト
2世代目になった『Barisieur (バリシーア) 2.0』
こちらが紅茶も抽出できるようになった『Barisieur 2.0』。棚に置いてみた第一印象は、意外とコンパクトで軽い。ミルクを冷却することもでき、裏面にはUSBポートが。枕元に置くときはバリシーア経由でスマホを充電できてしまう。
抽出の仕組みはとてもシンプル。フラスコに水を入れて、スイッチをON。すると沸騰したお湯がチューブをとおり、コーヒー粉が入った金属フィルターに降り注ぐ。「アラームが鳴るとコーヒーが抽出されている」という環境を作れるのがバリシーアの醍醐味だ。
カラー展開は「ウォールナットブラック」と「ブロンドホワイト」。実際に使うと粉や抽出後のコーヒーが本体に付いたため、購入するなら汚れが目立たないブラックがおすすめ。価格はクラファンのみ58,800円 (税込) となっている。
■Barisieur 2.0
【仕様】
○素材:ウォールナットまたはラバーウッドトップ、100%リサイクルアルミニウム製フォージドシャーシ
○電力:10W急速充電
○寸法:280(H) × 280(W) × 180(D)
○機能:異物検出機能あり。表面に置かれた金属製の物体を検知
○ポート:USB-C
○カラー:ウォールナット/ブラック、ブロンド/シルバー
【同梱品】
○ワイヤレス充電器本体
○ナイロン編組ケーブル(1.0m、ブラック)
○保証書
○取扱説明書
実際にコーヒーを淹れてみる
アラームのセット方法は後述するとして、まずはコーヒーを淹れていこう。用意するのは①中挽きに挽かれたコーヒー粉と②水。ミルクはトレイ中央の瓶に入れておくと冷蔵保存できるようになっているので、お好みで。
コーヒー粉は右下の引き出しへ。挽きたてでなくても良い人は予めストックしておこう。ちなみに専用のスクープ1杯が約5g。推奨は1~2杯とのことだけど、個人的には2杯ちょっと (12~13g) がおすすめ。
まずはコーヒー粉を金属フィルターに入れる。付属の金属フィルターには2種類あって、写真で使っているタイプが浸漬 (しんし) 式。コーヒー粉をお湯に浸らせることで成分を抽出していく。
フラスコに記載された「Max」のラインまで水を注いでいく。ちなみに1杯が220mlほどだったので、抽出できるコーヒー量は180mlほどだろう。たっぷり飲みたい人には物足りないと思う。
ガラス管のゴム栓が付いている方を、フラスコにぎゅっぎゅっと押し込む。もう片方にはお湯が降り注ぐためのシャワーヘッドが備わっており、コーヒー粉の真上に来るようにセットしよう。
最後にMAKEボタンを長押しして抽出スタート。抽出が終わるまでは5分ほど。徐々にフラスコのお湯が沸騰しはじめて、ガラス管を通ってコーヒー粉に降り注ぐ。音が大きいのでちょっとびっくりした。
5分経つとピピーとアラームが。今回は浸漬式のフィルターを使っているため、コーヒー粉がお湯に浸っている状態に。金属フィルターの持ち手部分をクイッと持ち上げると、下からコーヒーが出てくる。
まあまあ落差があったから飛び散るかな……と思ったけど、そんなことはなく。熱々のコーヒーを抽出できた。
Barisieur 2.0 で目覚めてみた
iPhone が登場して以降、それ以外のアラームで起きたことはない僕だが、思い切って試してみた。アラーム音が耳に届くか不安だったので、なんの予定もない週末にトライ。まずはアラームを設定してみよう。
本体の右側面にあるダイヤルを2秒ほど長押し。すると「時間」を設定できるように。もう一度ダイヤルを押すと「分」を設定できるようになる。ちなみにダイヤルを4秒間長押しすると、現在時刻をセットできる。
これは驚いたんだけど、別にアラームとコーヒー抽出はセットではないようだ。コーヒーはいらないけどアラームは鳴ってほしい、という場合は、アラームのみ鳴るようにセットすればOK。
本体正面下のスイッチを切り替えることで、アラームのON/OFF、またアラーム時にコーヒーを抽出する/しないを設定できる。今回僕はアラームで目覚めてすぐコーヒーを飲みたかったので、スイッチを一番左にセット。
※アラームとドリップをセットで使う場合のみ、安全対策としてセット後に上部のMAKEボタンを押す必要あり。
5分前や5分後、10分後など、アラームが鳴る前後どれくらいの時間帯に抽出をスタートできるかも設定できるようだ。僕は5分前にセット。起きてすぐ淹れたてのコーヒーを飲んでみたかった。
でも0や5分に設定すると、お湯が沸騰している音を聞きながら起きれそうだ。バリシーアを全力で楽しみたいので、明日は0分にセットしてみたい。ちなみにアラームの音色は (伝わらないだろうけど) 定番のピピピピッだった。
Barisieur 2.0 で淹れたコーヒーの味わいは?
アラームが無事に鳴り、コーヒーが抽出されていた!飲んだ印象は「スッキリ目のサイフォン」。蒸気圧を利用してお湯を押し上げ、高い温度のお湯とコーヒー粉を浸漬する、という抽出原理がサイフォンと似ているだけに、味わいも似ていた。
ただしサイフォンほどの香り高さやボディ感はないので、朝は濃いめのコーヒーを!という人は物足りなく感じるかも。価格が高いだけに、好みの味を一旦想像してから購入を考えた方が良さそうだ。
さて、これまでは浸漬式で淹れてきたんだけど、ドリップ式の金属フィルターに付け替えることも可能。浸漬式よりも繊細な風味まで感じやすい。とはいえ蒸らし時間や粉全体を攪拌するわけではないため、正直薄く感じた。個人的には浸漬式の一択だった。
なお金属フィルターを使っていため、どうしても微粉が抽出されてしまう。舌触りがザラッとするときはミルクと混ぜたり、抽出後に少し時間を置いてから飲むようにしよう。バリシーアだとDELAYボタンを「-5」に設定して、起床後1分ほど待つと良さそう。
実際に使ってみて良かった点
裏面には吸盤が。スツールの上でも高い安定感
裏面には吸盤が4箇所も。木製素材への吸着力はイマイチだが、ステンレスや滑らかな素材がコーティングされた表面への吸着は申し分なし。小さなスツール上に置こうとしている人も安心だ (スツールは横幅29cm以上あるものを使おう)。
飲み終わったら寝室からシンクへ楽々持ち運び
また木製トレイだけを取り外せるため、洗い物をするときもシンクへ楽々持ち運べる。本体はベッド側のスツールにずっと置いておいて、飲み終わったらトレイだけシンクへ。寝室からシンクへの導線が短く感じられた。
アラームや操作音の音量調整も可能
ダイヤルを回すときのピピピがうるさいと感じたら、音量を下げることも。アラーム機能が備わったバリシーアを使うときは、ほとんど深夜か朝。鼓膜がデリケートな時間帯のため、僕は音量を下げて使うようにしている。
とはいえ操作時の音量とアラーム音のボリュームは同じなようで、操作音を下げるとアラームの音も小さくなってしまった。ここは切り分けたかったところ。
実際に使ってみて気になった点
コーヒー粉が放置されてしまう
コーヒー体験を高めるユーモアな機能が詰まっているだけに、アラームが鳴るまでコーヒー粉が放置されるのは勿体なく感じてしまった。粉は豆以上に酸化 (劣化) しやすい。できれば全自動で挽いてほしかった (価格は10万を超えそうだけど…) 。
抽出後のコーヒー粉が捨てにくい
使ってみて一番気になったのが、コーヒー粉の捨てにくさ。抽出する際にコーヒー粉へ圧力があまりかかってなく、粉同士の密着が少ない。なので粉同士が緩いというか、とにかくまとめてゴロンと振り落とせなかった。
あと、抽出後のカップ置きにポタポタとコーヒーが上から垂れて、溜まってしまうのも気になった。ティッシュで拭けば綺麗に取れるが、放置すると濡れティッシュで擦り取らないといけなかったり。
まとめ
というわけで今回は目覚まし機能付きコーヒーメーカー『Barisieur (バリシーア) 2.0』を紹介してみた。パーツが多いように見えるが、ドリッパーとサーバーにガラス管やミルク瓶が加わったレベルなのでそこまで気になっていない。
ミルクの冷却機能をOFFにすると、砂糖や蜂蜜を入れることもできるそうだ。クラファン後の価格は73,400円と、一気に手が出しづらくなる。気になる人は12月8日までにチェックしてみてほしい。