インスタでは日々のコーヒーライフを動画で発信中☕️

家庭用コーヒーグラインダーの決定版。Varia『VS3』が最高すぎる【レビュー】

家庭用コーヒーグラインダーを一台選ぶなら、これ。

ここ数年でユーザー数を一気に伸ばしているのが、香港の器具ブランド〈Varia〉の『VS3』。SCAJ 2025では、彼らのブースにも立たせて頂き、映像制作と接客を担当しましたが、「VS3 の存在は知っているものの、購入するか悩んでいる」という方が多くいました。

今回の記事では、ほぼ全ての Varia 製品を試したぼくが、 スペック紹介はほどほどに「使ってみて感じたこと」「買う前にここは知っておくべき」といった点を中心に綴っていきます。

家庭用兼業務用の上位モデル『VS6』も愛用しているので、VS3 との違いも最後にお伝えしますね。

Contents

Varia『VS3』電動コーヒーグラインダー

こちらが〈Varia〉の電動グラインダー『VS3』。使用感は後述するとして、まずは外観から。スキージャンプの空中姿勢のような筐体は、とにかくコンパクト。片手で持ち運べるほどの軽さで、掃除のための移動も容易。

容量は最大30g。一番のお気に入りポイントは、挽き残りが少ないこと。たとえば16.0gを量るとき、静電気や内部に残る豆の量を考慮しても、16.1g──0.1gだけ余裕を持ってグラインドすれば、16.0がきっちり落ちてくれます。

© 2025, Kurasu Kyoto.

価格は52,800円 (税込) 。カラー展開は、ホワイトとブラック、それから昨年秋に登場したシルバーを加えた計3色となっています。シルバーの表面はほんのり凹凸感が。1年以上、ほぼ毎日使っても傷や汚れが全く付きません。

なぜ数ある電動ミルの中からVaria『VS3』を推すの?

なぜ「VS3」を推すの?という点にざっくり答えると、「エスプレッソからフレンチプレスまで、全ての淹れ方に “ハイレベル” で対応するから」という点に尽きます。

エスプレッソなら他のミルも使えるよ!という声も聞こえそうですが、案外そうでもない。”エスプレッソにも使える” と記載のある3万円以下のグラインダーは、大抵満足には挽けないことが多い。十分に細かく挽けないんです。

少し粗く挽くマキネッタなら可能でも、エスプレッソとなると話は別。たとえば、僕が使う『Flair 58x』という手動エスプレッソマシンには、〈Cores〉の電動グラインダーは使えません。

VS3は浅煎り豆を極細に挽けないって、ほんと?

他のレビューを眺めていると、「VS3 は浅煎り豆のエスプレッソ挽きには使えない」と伝えている方が一定数いました。これは、半分合っていて、半分違うかな?というのが僕の感じるところ。

たしかにエスプレッソ抽出シーンにおいては、深煎りよりも浅煎りは細かく挽く必要があるため、モーターパワーをさらに要します。でも、基本は問題なく使えています。

ただ気になる点があるとすれば、エチオピアのような、標高が高いところで育つ浅煎り豆。豆が硬い傾向にあるので、刃が豆をうまく掴めずに空回りしたり、詰まったりします。特に後者は起きがち… (涙)

もちろん、エチオピアの浅煎りだからと言って必ずそうなる訳ではなく、一部の豆 (品種とかに寄るのかな?) に起きます。その際は、詰まった豆をお箸で上からほじくります。これが一番のネガティブポイント。

参考の挽き目や併せて使いたいアイテム

実際に「VS3」でコーヒー豆を挽いていきます。わが家は棚に置いていますが、このサイズ感と縦に長いフォルムゆえに、キッチンの空きスペースなど場所を選ぶことなく収納できるはずです。

STEP
挽き目を調整

挽き目は上部のダイヤルを回して調整。「0~9」までの数字の間には目盛り線が。数字が1つ大きくなるごとに、目盛りを10本動かすことになります。

参考までに、ぼくが普段使う挽き目はこんな感じ。浅煎り豆のときは「2」くらいまで下げることもあります。

  • エスプレッソ挽き:2~4
  • ドリップ挽き:10~11.5
STEP
コーヒー豆を計量

コーヒー豆を計量する際は、付属の粉受けを使うのがベスト。「VS3」の投入口が狭いので、注ぎ口が広い粉受けで入れるとこぼれ落ちることも。

ちなみに僕が今使っているものは、オプションで購入できる「Varia VS3 Dosing Cup 58mm」。

エスプレッソ抽出に使うポルタフィルター (58mm) にもスポッとハマる仕様で、付属の粉受けよりも少し大きくて厚みもアップ。高級感があります。

STEP
グラインドスタート

グラインド前には、付属のRDTスプレーで豆に霧吹きすることを忘れずに。静電気が起きやすい冬場は、豆の挽き残りを減らすためにマストです。

右下の側面にあるボタンを押すとグラインドスタート。僕がドリップ用に使うもう一つのグラインダー「Fellow Ode Brew Grinder Gen2」は、挽き終わると自動で止まってくれますが、VS3は手動でストップ。

これが当たり前なのですが、自動で止まる便利さを知っている人からすると少し手間ポイントかも。

付属のシリコーンベローは取り外しても使えますが、グラインド前には必ずプシュプシュ押して中の粉を押し出してから使うので、常設スタイルで使っています。ズレ落ちることは基本ないです。

淹れ方別の挽き目はこんな感じ

極細挽きから粗挽きまで、抽出シーンに合わせて3パターンの挽き目を用意しました。

フィルターコーヒー用に挽いた粉 (11.5) は、前述の「Fellow Ode Gen 2」の中挽きに比べると少し微粉が増える印象。抽出後半のお湯抜けも若干スピードが落ちがちですが、ネガティブレベルではなく、ボディや甘さが増して美味しいです。

そもそも、「Ode Gen 2」はフラット刃で、「VS3」はコニカル刃。刃の形状の違いも味わいに大きく直結するため、これは完全に個性の問題。クリアな酸質を楽しみたいときは、「Ode Gen 2」で挽くようにしています。

エスプレッソ挽きは、浅煎り豆を想定して2.5番で挽いてみました。18gを挽き終わるまでは約30秒。家庭用でこのスピードなら全然苦になりません。

VS3で挽いた豆のドリップ中に意識していること

「VS3」で挽こう、となるタイミングは下記のシーンが多いです。

  • お湯の抜けが比較的早いコーヒー豆を使うとき
  • ボディ感や甘さをしっかり出したいとき

「Ode Gen 2」に比べるとお湯の抜けが5~10秒ほど遅い (豆12g:お湯200mlの場合) ので、挽き目をやや粗くしたり、抽出後半では、ドリッパーの中心付近にお湯をゆっくり細く注いで、ネガティブな要素が出ないようにしています。

「VS3」に合うと感じるドリッパーは、〈OREA〉から新登場した『O1 Brewer “BABY O”。サイズ感が小さく、ケトルのノズルの先を粉に近づけやすいので、ドリッパー内で微粉が舞いにくく、さらにスムーズに抽出できます。

家庭用兼業務用グラインダー「VS6」との違い

「VS6」との違いは、サイズ感はもちろん機能面でも多くあります。まず結論として、家庭で使う分には「VS3」で十分。 VS3 にはない、VS6の大きな特徴は下記のとおりです。

  • 刃の回転速度を変えられる(500rpm~1,600rpm)
  • 刃をカスタマイズ可能(既存のフラット刃→コニカル刃にも変更可)
  • モーターがパワフル

これらがどうしても必要かと言われるとそうでもなく、強いて言うなら、VS6 はモーターがパワフルな分、VS3 が苦手とする硬い豆のエスプレッソ挽きも容易に対応できるのは大きな強みかと思います。あと挽き終わるのは圧倒的に VS6 の方が早いです。

ただ正直、モーターのパワー以外の性能は絶対に必要という訳ではなく、なくても全く不自由に感じないレベル。価格的にも、サイズ的にも(VS6 は10kgほどあり持ち運びも一苦労)、家庭ユース想定だとVS3に軍配が上がります。

© 2025, Kurasu Kyoto.

余談ですが、VS3も刃の変更が可能です。「Varia Burr」というものがあるので、いつか試してみようと検討中。ドリップには「Gold Titanium」が良いらしい。

まとめ

こんな感じで〈Varia〉の「VS3」を1年間以上使った感想をレビューしてみました。同価格帯のミルが値上げをしていく中、今だに5万円台前半なのも「VS3」のすごいところ。

あと何より、VS3 の輸入元が京都にある〈Kurasu〉なのが本当に心強い。何か商品に不具合があった際、カスタマーサポートにメールすれば丁寧に対応してくれます。〈Fellow〉のケトルが故障しかけたとき、僕自身助けてもらいました。

VS3はまだ分解掃除をしていないものの、Kurasu の YouTube に解説動画があるのでいざというときも心配なさそうです。心から推せるコーヒーグラインダー、ぜひチェックしてみてください。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
Contents