今月は真紅カラーに包まれた『STANDART』が届きました。
STANDART (スタンダート) は年に4回発行されるコーヒージャーナリズム雑誌。定期購読すると、世界中のトップロースターが焙煎するコーヒー豆も付いてくる。そのパッケージまでアーティスティックで個性的だ。
「Standart が読めるのはオフラインだけ」とオンライン全盛期に定めているのがすごい。自宅のサイドボードに毎号飾ることにした STANDART、今回の豆は TYPICA (ティピカ) が仕入れ、KURASU が焙煎するエル・ボスケ農園 (ボリビア) だ。
これがおそらく一生忘れない、記憶に残るコーヒー豆だったのでまずはこちらから書いていこう。
サンプルコーヒー豆:Apata Florentin (El Bosque, Bolivia)
こちらがアパタ・フロレンティンさんがエル・ボスケ農園で生産したコーヒー豆。わずか3ヘクタール (東京ドームが約4.7ヘクタール) の農園から一年で収穫できるのは、たった40袋だとか。この情報だけでいつもより丁寧に淹れようと気合いが入る。
この前購入したケメックスコーヒーメーカーで淹れてみた。公式サイトにはシンプルで飲みやすいと載っていたが、個人的には柑橘系の素朴なフルーティーさと、焼き芋のような優しい風味が口の中全体に広がる印象を受けた。浅煎り、でも深煎りのように感じられる新しいコーヒーだった。
そして豆を仕入れている TYPICA (ティピカ)、これが本当にすごい!生豆のダイレクトトレードを1袋から可能にしたことも然ることながら、ロースターが下す豆のカッピング評価をプラットフォーム内で生産者が確認できるようにしたのだ。
自分たちが育てた生豆の評価が不明なまま生産するのと、具体的なフィードバックを参考に育てるのとでは品質はもちろん、モチベーションが大きく変わるはず。愛に満ち溢れた仕組み、とても応援したくなる。
彼らがサスティナビリティを改善するために実践する取り組みは他にもあるので、ぜひ STANDART で読んでみてほしい。これからのコーヒー豆の在り方とは?の答えが以前より鮮明になった気がする。
・農園:El Bosque
・生産者:Apata Florentin
・オリジン:Carrasco la Reserva, Sabaya, Bolivia
・品種:Castillo, Red Catuai, Yellow Catuai
・精製方法:Washed
『STANDART 19号』を読んで印象的だったこと
さて、今回特に印象的だったのは『Meet Your Earth Rider』だろうか。世界中でフリーコーヒーを配る西川昌徳さんのこれまでの人生、カッコいいと思うけど、自分には無理だろうな、、と。でも、人の生き様から学べることは多い。
他人の人生を覗き見する面白さが芽生えた特集はもうひとつ。連載シリーズの『ボスでいるということ』で紹介されていた Alex Kitain 氏だ。ヨーロッパで最高と評されるコーヒーサブスクリプション「The Coffeevine」のボスの人生もまた、波乱に満ち溢れていた。
人の冒険や挑戦に触れると、自分が無意識に設定した限界値を押し上げてくれるような気がして、爽快な気分になれる。僕は今年からインタビュー活動を始めたのだが、レビュー記事とは違う難しさを感じた。でも続ける中で学ぶことは多い。もう少し頑張ろう!と思える内容が STANDART には詰まっている。
なおこれは余談だが、人気のカフェが愛用するコーヒー器具を紹介する連載企画 (タイトルは未定) を来月中にはスタート予定だ。カバンの中身シリーズのような感覚で楽しく読んでもらえる記事にしたい!
番外編:明壽庵 (めいじゅあん) のフルーツあんサンド
ところで今回、アパタ・フロレンティンさんが育てたコーヒーのお供に頂いたのが明寿庵のフルーツあんサンド。明寿庵とは、パンの「明治堂」、久寿餅の「石鍋商店」、餡の「王子製餡所」の老舗3社のこだわりを持ちよって作られたお店。
あん食パンが定番らしいが、粒あんを練り込んだあずき食パンに、たっぷりのあんホイップクリームと旬のフルーツを挟んだフルーツあんサンドが、この世の創作物とは思えないくらい美味しかったので紹介しておきたい。今回は葡萄をチョイス。
そこまで甘ったるくないあんホイップが、フルーツの甘さを引き立てる一品。ワンコイン (500円) で買えてしまうのもつい手土産にしたくなる。現在ネットでは販売してないようだが、東京の東十条に実店舗があるので近くの人はぜひ足を運んでみてほしい。
これから STANDART の記事では (本格的なコメントできないけど) スイーツ紹介しようかな。