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スタイリッシュな高級マキネッタ、ALLESI (アレッシィ) の『9090』シリーズを使ってみた

スタイリッシュで歴史あるマキネッタ。

モカポットとも呼ばれるマキネッタは、底面に直接火をかけてエスプレッソを抽出する、いわゆる直火式のエスプレッソコーヒーメーカーだ。エスプレッソの本場イタリアでは一家に一台あるとか。代表的マキネッタは価格も良心的なビアレッティの『モカエキスプレス』だろう。

家具や雑貨のお店で見かけることも増えてきた。そんな中、20,000円を超える ALLESI (アレッシィ) の『9090』シリーズをお借りしたので、モカエキスプレスとの比較もしつつ、メリット・デメリットを書いていこう。

ALLESI『9090』シリーズ – ALESSI JAPAN 公式ストア

Contents

ALLESI 初のマキネッタ『9090』シリーズについて

画像引用:https://www.salonemilano.it/en/articoli/design/alessi-100-years-successful-objects-new-century-experimentation-begins

9090シリーズについて話す前に、 ALESSI のことを少しだけ話しておこう。ALESSI はイタリアを代表するデザインプロダクトカンパニーだ。

1921年、イタリアのオメーニャで金属製品を手掛ける工房として創業し、その上質なステンレス製品は世界中の人々を魅了してきた。そして現社長のアルベルト・アレッシィ氏のもと、1970年代からは著名建築家やデザイナーとの協働により、デザインに特化した製品を開発し続けている。

画像引用:https://www.brionvega.it/en/

9090シリーズもそのひとつだ。そのデザインを手掛けたのは、スタンドチェア「TISIO (ティツィオ)」を名作として持つリチャード・サパー氏。1972年に発表された9090シリーズは、MOMA近代美術館にも展示されるほど高い評価を得ている。

9090シリーズの特徴やビアレッティとの違い

さて、9090のサイズ展開は1・3・6杯用の3つ。今回僕は一番人気だという3カップをお借りした。後述するが、実際このサイズが一番使い勝手がいい。価格は3カップ用で26,400円 (税込) と、マキネッタにしてはとにかく高い。

モカエキスプレスが5,000円ほどで購入できることを考えると、すぐに手を出せないと思う。まずは良心的なモカエキスプレスなどでマキネッタの味を知ってから、9090が良さそうだ。モカエキスプレスとの違いは以下の3つ。順に紹介しよう。

  • デザインと持ち心地の高級感
  • 底径の長さ
  • ハンドルの仕組み

デザインと持ち心地の高級感

9090の見た目には高級感がある。価格相応だが、ALLESI はずっしりと重い。素材に使う18-10ステンレスは、ステンレスの中でも上質なものだそうで、ニッケルの含有量が高く、耐久性にも優れている。錆びの発生率もグッと抑えられるとか。

対してアルミニウム合金が素材のモカエキスプレスは軽く、内側はアルミの剥がれてる感じが目立つ。決して嫌なわけじゃないし、これはこれで愛着が湧くのだけど、5,000円と言われるとストンと納得できる。ただ軽くてとても使いやすい。

底径が長く、どのコンロにも置きやすい

9090の底径の長さは使いやすさをグッと引き上げてくれる。底径はマキネッタの割に長く、3カップ用だと11cm。

一方でモカエキスプレス (3カップ用) は9cm。この差の何が嬉しいって、底径が長いと熱伝導の効率も高まるのはもちろん、家庭用コンロにも安定して置くことができるのだ。わが家のコンロにモカエキスプレスは置けないが、9090は置けた。

エスプレッソが漏れないハンドルの仕組み

ビアレッティ – モカエキスプレス
ALLESI – 9090 シリーズ

モカエキスプレスだけでなく、他のマキネッタ全てと比べて9090の大きく違う点が、エスプレッソが溜まるサーバーと水を入れるボイラーをハンドルによって固定できることだ。

いつもだと両者を手で回して取り付けるが、9090はハンドルの下部分を突起に差し込むことで2つを密接させる。締まりが甘いからエスプレッソが溢れ出す、なんてこともないので安心だ。ただ少し力がいるので、女性は回す方が嬉しいかも。

実際にエスプレッソを抽出していく

マキネッタのパーツはたったの3つ。なので淹れる工程は意外にシンプルだ。以下の順番でエスプレッソを抽出していく。

  1. 水を注ぐ
  2. コーヒー粉を入れる
  3. サーバーをセットする
  4. 火にかける

1. 水を注ぐ

まずはボイラーに水を注いでいく。このとき注意したいのは、内側を覗くと見えるセーフティバルブ (空気が入る穴) より下の位置に水を注ぐこと。

ただし9090はボイラーの構造によりバルブが見えづらいので、その上まで水を注いでしまうことが多々。そこで最近は水130mlをコーヒースケールで量ってから注ぐようにしてる。

2. コーヒー粉を入れる

次にコーヒー粉をバスケットに入れていく。挽き目はエスプレッソより少し粗めの細挽きがベスト。細かすぎるとお湯が上へ通りにくくなり、うまく抽出できない。ただし逆に粗すぎるとエスプレッソが噴出することもあるので注意しよう。

コーヒー粉はギュッと押し込まず、スプーンや指の平で馴らすように入れるのがポイント。なお縁に粉が付いてるとボイラーとサーバーが密接せず、空気が漏れてしまう原因になることもあるので、手で払っておこう。

ちなみにこのパーツは「リデューサー」と言い、エスプレッソの抽出量を減らすためのものらしい。たとえば6カップ用の9090を使用して、3カップ分の量を抽出するときに使う。少しだけ抽出してミルクと割りたいときにすごく助かる!

3. サーバーをセットする

あとはサーバーをセットして完了だ。そして前述のとおり、9090はここがすごい!通常のマキネッタだとサーバーを回してボイラーに取り付けるのだけど、9090は2箇所ある突起の片方にハンドルをはめ込むだけでセットできる

少し力はいるけど、これが本当に楽。取り付け部分からエスプレッソが漏れ出さないのも心強い!10回ほど使ってみた記事執筆時点だと、一度も漏れたことはない。

4. 火にかける

最後に火にかけて完成だ。火加減は弱火。底面から火がはみ出さない程度にしておこう。ただし9090はハンドルがステンレスなのに加えて、火に近い位置にあるので、熱が伝わりやすい点に注意しよう。

あとマキネッタを購入する際に気をつけたいのが、自宅のコンロのサイズに合うかどうか。マキネッタは底径が短いので、コンロによっては安定して置けないこともある。わが家のコンロだと1カップ用の9090は置けない。

サポートリング

もし置けなかったらサポートリングという、マキネッタとコンロのアダプターのような部品を購入するといい。そうそう、IHには対応しているようだ。

余談だが、外でマキネッタを使う際はいま使ってる韓国のアウトドアメーカー KOVEA (コヴェア) のカセットコンロ『CUBE』がおすすめ。見てのとおり底径関係なく置くことができるので、モカエキスプレス (3杯用) にも問題なく使えた。

5. 大きな気泡が出きったら完成!

噴出口から大きな泡が出てきたら完成だ。点火からは約2分弱と、モカエキスプレスに比べて抽出までの時間が短い。広い底面により熱伝導率が高いからだろう。

あとはカップに注ぐだけだけど、9090は持ち手が熱いので布で覆って持つようにしてる。やはりハンドルは9090最大のメリットであり、デメリットだと思う。ちなみに注ぐときに液垂れはしなかった。

マキネッタで淹れるエスプレッソの飲み方

ALLESI 関係なく、僕がマキネッタで抽出したエスプレッソを飲む方法を最後に紹介しておこう。

定番はやはりカフェラテ。夏の時期ならグラスにまず氷とミルク入れてからエスプレッソを注ぎ、アイスカフェラテにすることが多い。マキネッタで淹れるたエスプレッソは濃度感が薄いので、コク強めのカフェオレに仕上がる。

そしてエスプレッソを凍らせてエスプレッソキューブにし、好きなときにミルクをかけて飲むのもおすすめ!徐々に溶けるエスプレッソによる味わいの変化を楽しめるのだ。最後はシャーベットみたいになるけど苦いので、ミルクを足してる。

あと抽出後のエスプレッソは熱くてすぐ冷やせないので、ミルクを少し注いでから凍らせると良い。そうすることでエスプレッソの風味が落ちるのも防げる (スタバではエスプレッソを抽出してから10秒間ミルクなどを加えず放置すると、廃棄するのがルールだった) 。

まとめ

いかがだっただろうか。正直これまでマキネッタを使ってこなかったので、使うのは面倒とばかり思っていたが、実際はハンドドリップよりも楽で驚いた。日本でも習慣的に使う人が多い理由が伺える。

なお『9090』のレビューのためにモカエキスプレスを購入したが、それぞれの良さがあった。9090は高級感と安全性に長けてる印象を受け、モカエキスプレスは手頃な価格と愛着の湧くロゴとデザインにより気軽に使えて、経年変化も楽しめそうだ。

初のマキネッタで20,000円超えの『9090』を選ぶ人がどれほどいるのかはっきり謎だけど、個人的にはいつか購入したい。あと、ALLESI の『MOKA エスプレッソコーヒーメーカー』は価格的にすごく惹かれる。

ALLESI『9090』シリーズ – ALESSI JAPAN 公式ストア

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