自宅で最高のエスプレッソやカフェラテを楽しむなら。
エスプレッソに最適な6~9気圧で抽出でき、上質なクレマもできる Flair Espresso Maker (フレアエスプレッソメーカー) 。本格的なマシンは100万円を超える中、高いクオリティを保ちつつスマホの半額以下で購入できる点が、世界中の家庭に浸透している理由だろう。
そんな Flair Espresso Maker のモデル展開は4つ。中でも上位モデルの『FLAIR PRO 2』を購入して9ヶ月ほど経ったので、使ってみた感想や美味しく抽出するためのポイントなどを交えてレビューしていこう。
Flair Espresso Maker | FLAIR PRO 2 公式サイト
なぜ Flair Espresso Maker を選んだの?ROK Coffee は選ばなかった理由も
手動エスプレッソメーカーは (価格とサイズ的に) 家庭向けなので、趣味としてコーヒーを楽しむ人には魅力的な選択肢だろう。僕が Flari Espresso を購入する際に比較したのは ROK Coffee 。そして当時は日本未上陸のため知らなかったが、今だと Aram Espresso も候補に入ると思う。
・候補①:Flair Espresso Maker
・候補②:ROK Coffee
・候補③:Aram Espresso Maker
ROK Coffee を選ばなかった理由の前に、Aram はどうかというと、正直デザイン的には一番好み!しかし高い…。10万円近くもしたのでさすがに見送った。Flair Espresso 購入後に発表されたのでドキッとしたが、これは別次元と割り切れた。
そして残る ROK Coffee 。レビュー記事を読み漁ると、Flair Espresso の方が “濃厚” というワードが目立っていた。あと個人的に「圧力計がない」点が気になった。エスプレッソ初心者にとって、圧力のかかり具合を知ることで改善点が見えると思ったし、何より適切に淹れられてる安心感を得たかった。
とはいえパーツが少ない ROK は使い勝手の面で圧倒的に上だろう (価格も2万円台後半とまだお手頃)。Flair Epsresso の抽出準備はさすがに慣れたものの、未だ面倒に感じてしまうときも。
全モデルから『FLAIR PRO 2』を選んだ理由
- ダブルショットを抽出できる
- もっとも高級感のあるデザインだった
- ハイクオリティの割に良心的な価格
FLAIR PRO 2 を選んだ理由は3つ。一番はダブルショット (約56ml) が抽出できる容量であったこと。僕はドリップ同様、カフェラテもたっぷり淹れたい派。なのでシングルのみを抽出できる「Signature」や「The NEO」だと物足りなかった。
ちなみに ROK Coffee はたしかダブルを淹れられるので、価格を抑えたいなら ROK が最良の選択かも知れない。
2つ目は Flair Espresso 全モデルに言えることだが、置きたい場所にセットしやすい点。このスタイリッシュさは賃貸の強い味方だ!チープ感のないデザインも、上位モデルを選んだ理由。
そして冒頭でも話したように、3つ目は美味しさの割に良心的な価格。税込42,800円 (コーヒー器具にしたら高く感じるけどね!) 。下位モデルに比べると1万円ほど高いが、全米バリスタ王者が認めるほど上質なエスプレッソを楽しめるから安い方だと思う。
余談だが、最近登場した最上位モデルの『Flair 58 X』は個人的にすごくアリ。6万円を超える価格や、商品画像だと大きく見えるサイズ感は現時点だとやや気になるが、ぜひ一度使ってみたい。
全米バリスタ王者も絶賛。Flair Espresso Maker『FLAIR PRO 2』レビュー
さて、改めてこちらが今回レビューしたい Flair Espresso (フレアエスプレッソ) の『FLAIR PRO 2』。Flair Espresso Maker は2016年にアメリカのクラウドファンディングで注目を集め、2020年に日本初上陸した新しいメーカーだ。
容量はコーヒー粉16~24g、お湯は70mlのダブルショット向き。カラーは「Matt Black」と「Snow White」の2色展開となっている。僕はキッチンの棚上を黒で統一してるので、ブラックの一択だった (昔あったクロームというメタリック色は現在製造中止とのこと) 。
内容物はこんな感じ
手元に届いた専用ボックスがこちら。付属の持ち運びケースはアウトドアで活躍する予感。硬めのファブリック素材は衝撃にも強そうだ。その中には初めて見るパーツがコンパクトに収納されていた。
使ってみて感じるが、この取り外し可能なスパウトの存在はありがたい。抽出時のエスプレッソの飛び散りを防いでくれる。あと圧力計。後述するが、圧力のかかり具合によって改善点が見えてくる。
取り付けはレバーをベースにはめ込むだけ。裏面からネジを通してレバーを固定できる。しばらく持ち運ぶ予定がないので一応固定してみた。とはいえ必須ではないので、面倒だったり、使い終わると収納したい人はそのままでいいと思う。
◾️商品内容
1. ベース
2. ポルタフィルターベース付きポスト&レバー
3. スクリーン付き、ポルタフィルター(ステンレス製)
4. プランジャー付き、醸造シリンダー(ステンレス製)
5. 取り外し可能なスパウト(ステンレス製)
6. 予熱用シリコンキャップ
7. 圧力計付き、プランジャーステム
8. ドージングカップ
9. フィーリングファネル
10. ドリップトレイとブランドロゴ付き、研磨用ポーチ
11. ステンレスタンパー
12. キャリングケース
13. ポストをベースに固定するためのネジ
14. 説明書
実際に『FLAIR PRO 2』でエスプレッソを抽出してみる。ポイントや感想も
それでは実際にエスプレッソを抽出していこう。うまく抽出するためのポイントも交えつつ書いていくので、実際に使う際の参考にもしてもらえると幸いだ。
まずは抽出ヘッドをシリコン素材のキャップにセットし、穴からお湯を注いで温める。最低でも1分は温めるようにしてる。
なお抽出後はプランジャーが下がってるので、お湯を注ぐ前にドージングカップ (写真の黒い筒状パーツ) を使って最上部に戻しておこう。
注湯後、ポルタフィルーター (コーヒーの粉をセットするパーツ) も上に乗せて温めておくといいらしい。公式曰く、浅煎りの豆ほど効果的とのこと。
抽出ヘッドを温めてる間に豆を挽き、軽く温まったポルタフィルターに入れる。コーヒー豆は16~24gとのことなので、まずは20gで淹れてみてから調節するのが良さそうだ。
ちなみにFlair Espressoの場合、豆の挽き目は少し粗めがベスト。愛用してるミルの目安クリック数表記で、モカポットと書かれた挽き目より少し細かいくらいが丁度いいはず。
タンピングをしっかりして、スクリーンをセットしよう。注意したいのは向き。ザラザラ感のある方を上に向けておく。
そして本体にセットしよう。
温めておいた抽出ヘッドのお湯を捨てて、フィルターの上にはめ込む。そしてお湯を上部の穴から注ぎ入れ、圧力ゲージもセット。
ちなみにお湯の温度は93度が最適らしい。もし濃かったら温度を下げてみるといい。
なお抽出時にエスプレッソが飛び散るのを防ぎたい場合は、スパウトを取り付けるのがおすすめ。うまくタンピングができてなかったり、挽き目が適切でなくても飛び散ることがない。
そしてプレス!
圧力は6~9BAR (背景がホワイトになってる位置) が理想。しっかりと圧力をかけるためにも、プレス後10~15秒ほど2BARの位置で停止させ、粉を蒸らす。すると綺麗なクレマもできる (※豆はできるだけ新鮮なものを選ぼう) 。
その後35~45秒かけて抽出しよう。
ただしプレスするには想像以上に力が必要。体重をしっかりかけられる体勢で淹れるのがポイントだ。できるだけエスプレッソメーカーの位置を腰より低い位置で抽出するようにしよう。
うまく抽出できない時はどうする?
「レバーが硬くてエスプレッソを全く抽出できない」「逆にレバーが緩すぎて勢いよくエスプレッソが出る」といった場合はどうしたらいいの?という質問に答えておこう。まとめるとこんな感じ。
■レバーが硬くて全くエスプレッソが抽出できない場合
①:コーヒー粉の挽き目を粗くする
②:コーヒー粉の量を減らす
■レバーが緩すぎて勢いよくエスプレッソが出てくる場合
①:コーヒー粉の挽き目を細かくする
②:コーヒー粉の量を増やす
コーヒー粉が細かすぎたり、その量が多かったりするとレバーが押し下がらず、圧力だけがかかる状態になってしまう。器具本体にも負担がかかるので、思い切って挽き目を粗くしよう。分量を1~2gほど減らしてみるのもおすすめ。
対してレバーが緩すぎてエスプレッソが勢いよく出る場合は、粉の挽き目を細かくするか、その量を増やすといい。
捕捉的な話をしておくと、タンピングはなるべく平にしよう。斜めだと均等に圧力がかからず、成分の抽出にムラが出てしまう。スパウトを付けてないとエスプレッソが飛び散る原因にも。
お手入れと、片付け
さて、ROK Coffee との比較でも少し触れたが、パーツの多い Flair Espresso の片付けはわりと面倒だ。とはいえお手入れは思っている以上に楽。洗剤で洗うとエスプレッソの風味を損なうので、基本は水洗い。
乾いたら収納するだけなので、案外手際よく片付けられるという訳。収納時は、抽出に使うパーツは本体に取り付けておき、それ以外はひとまとめにして引き出しの隅に置いている (偶然かも知れないがジャストフィットで納まった) 。
まとめ
こんな感じで Flair Espresso の『FLAIR PRO 2』を半年間以上使った感想をレビューしてみた。抽出するための工程は複雑なように感じるかも知れないが、3~4回ほど使うと案外すぐ慣れる。
それより苦戦するのは粉の挽き目やタンピングの力加減だろう。ここさえ要領を掴めば最高に美味しいエスプレッソやカフェラテを自宅で楽しめるようになるので、ぜひ試行錯誤してみてほしい。