手は塞がってるけどコーヒーは飲みたい。そんなとき頼りになるのがコーヒーメーカーだろう。
ただそんなマシンの技術進歩は目覚ましく、ネットで各コーヒーメーカーを調べ回ったがどれも美味しそうに謳ってるので決められない始末。実際に試せれば良いがけど中々そう簡単にもいかないので、大きく購入の決め手となるのはサイズ感と好みのデザインになりそうだ。
色々探していたところ、『BALMUDA The Brew』を借りることになった。電動ミルのような見た目は空間に圧迫感を与えず、肝心のコーヒーもスッキリして美味しかった。日頃淹れるドリップともほぼ遜色ないように感じ、むしろこっちの方が美味しい?と思う時も。
コーヒーメーカー以上、ドリップ相当『BALMUDA The Brew | バルミューダ ザ・ブリュー』
こちらが『BALMUDA The Brew』。カラー展開はブラックの一色で、1~3杯分 (120~360ml) のコーヒーを一度に淹れることができる。「コーヒーを淹れる過程も楽しむことができる美しいデザイン」と謳う。
価格は強気の59,400円 (税込) 。少し攻めすぎでは?とも考えたが、見た目や質感、淹れてるときに流れる古時計の音色のほか、後に紹介するバイパス注湯や特許出願中の抽出技術を踏まえると、その価格にも納得できた。
◆ BALMUDA The Brew (バルミューダ ザ・ブリュー)
⚪︎サイズ:幅 140mm × 奥行 297mm × 高さ 379mm(取っ手含む)
⚪︎最大内容量:サーバー 約500㎖、水タンク 約490㎖
⚪︎重量:約3.4kg
⚪︎コードの長さ:1m
⚪︎サーバー素材:ステンレス(真空二重構造)、PP
⚪︎定格消費電力:1450W
⚪︎電源:AC100V 50Hz/60Hz
⚪︎生産地:中国
⚪︎保証期間:購入日から1年間
⚪︎パッケージ内容:本体、ドリッパー、サーバー(蓋含む)、計量スプーン、ドリッパースタンド、取扱説明書(保証書付)、 ペーパーフィルター5枚
これぞ BALMUDA のコーヒーメーカー、外観レビュー
BALMUDA The Brew の外観はこんな感じ。マットな質感を基調としたブラックのデザインは、サイズ感のわりに落ち着いた印象。サーバーにはステンレスを採用しているのもメリハリが出て、なんかいい。なお触り心地は BALMUDA のトースターとかなり似ている。
上から覗くとこんな感じ。日頃ハンドドリップで眺めている光景に近い。ダイヤルやディスプレイなどはなく、ボタンのみのシンプルな操作感だ。同メーカーのトースター (ダイヤルしかない) もそうだが、シンプルな操作感からのハイパフォーマンスはさすが BALMUDA と言える。
徹底した温度管理で雑味を感じにくい
特許出願中の抽出方法は、温度を徹底的に管理しているとのこと。まずは93度でコーヒーを蒸らし、徐々に82度まで下げていく。時間が経つにつれコーヒーの雑味は熱により溶解されやすくなるので、それを見事に回避している (ハンドドリップではまずできない方法だろう)。
また「バイパス注湯」もいい仕事をする。抽出し終わった直後に、サーバーの注ぎ口付近から86度のお湯を注ぎ、凝縮された成分と温度を調節しているらしい。驚いたのはバイパス注湯なしの「STRONG」モードでも雑味を感じにくい点。薄めないと雑味を回避できない訳ではないようだ。
より美味しく淹れるための【使い方】
使い方はハンドドリップとほぼ同じ。違う点は、ケトルで水を沸かす代わりにタンクに水を注ぎ、あとは代わりにドリップしてもらう程度 (豆から挽く人は別途ミルを使わないといけないが)。
トースターのように 5cc 加水するだけで、ふわっふわのパンを焼き上げるような魔法は使えなかったけれど、淹れてるときに流れる古時計の音色は至福だ。
まずは付属のドリッパースタンドにドリッパーを置き、これまた付属のペーパーフィルターをセットする (フィルターは Hario の1~4杯サイズで代用できた)。
中細挽き〜中挽きのコーヒー粉をセットして、本体に取り付ける (各杯数のおすすめの粉量は説明書に記載。2杯なら20~28g)。一度淹れてみて薄く感じたら、粉の量を増やすか挽き目を細くしよう。
あと少し細かいが、ハンドドリップ同様にドリッパーを揺すって粉を平にしておく。ハンドドリップ以上にこの平さが蒸らしの成否に直結するので、忘れずに!
普段ドリップする人は「サーバー内を温めなくていいの?」と考えるかもしれないが、Start ボタンを押すとまず100度のスチームでサーバーが温められるので心配ない。
また ICED モードで淹れる場合は、1杯あたり30gの氷を抽出 “後” のサーバーに入れる (※急冷式のコーヒーを淹れる人は抽出前に氷を入れるだろうが、安全面から “後” に入れるそう) 。あとはカップの中にも氷を入れておくのがおすすめ。
タンクを本体から取り外し、好みの杯数の目盛りまで水を注いでいく。ICED モードにはやや少なめの目盛りが用意されている。
あとは好みのモード (REGULAR / STRONG / ICED) と杯数を選択し、Start ボタンを押して待つだけ。定期的にクリーニングモードで洗浄するのも推奨とのこと (説明書を見ると簡単にできそうなので、今回は割愛)。
⚫︎抽出時間 (REGULAR モード)
⚪︎1杯:約3分30秒
⚪︎2杯:約4分57秒
⚪︎3杯:約6分1秒
※STRONG もほぼ同じ。ICED は2杯で3:31秒と抽出量が少ない分短い
実際に『BALMUDA The Brew』を使ってみた感想
1週間、毎日3回使い続けた感想は「日頃淹れるドリップコーヒーを結局選びそう」。雑味がなく飲みやすい、でも風味をしっかり感じられるコーヒーは本当に美味しかったけれど、やはり自分好みに淹れるドリップの味とどうしても比較してしまう。
なので日頃からドリップの習慣がある人は、そのまま自分で淹れる選択をおすすめしたい (時短目的や一目惚れして購入するのは別←多そうだから記しておく) 。そして言わずもがな、それ以外の人にはぜひ使ってみてほしい。その理由を3つ、最後に綴っておこう。
3つのモードはどれも個性があって良い。年中使えそう
モードは「REGULAR」「STRONG」「ICED」の3種類。全体的な味の感想は前半で伝えたので省略するが、この3つがあれば年中いつでも稼働できそう。
手始めに試したのは「ストロング」。僕は日頃から濃いめにドリップしているからか、思ったより控えめな印象だったけれど、確かに濃いめ。芳醇な風味も文句なしに感じられた。結局今回借りている期間中、一番好んで飲んだのがストロングかも。
続いては定番と謳う「レギュラー」。僕からすると、言わずもがな控えめだ。でもスッキリと飲みやすいく、コーヒーが苦手な人でも飲みやすいはず。「アイスド」はストロングの風味を凝縮し、苦味を抑えた仕上がり。普段淹れるアイスコーヒーに比べると柔らかい風味に仕上がっていた。美味しい。
⚪︎抽出杯数
1杯・2杯・3杯
REGULAR・STRONG:約120㎖・約240㎖・約360㎖
ICED:約75㎖・約150㎖・約225㎖
狭い空間でも溶け込みやすいデザイン
実際に開封してみて、一番驚いたのが横幅の狭さ。土台部分こそ14cmあるものの、メインは以前紹介した KINTO のコースター (10cm) よりも狭い約9.8cm (個人調べ) 。豆を挽く機能が備わってないだけに、キッチンでもこのとおり余裕を持って置けてしまった。
またどことなく電動ミルらしい印象も受け、3.4kg あるわりには持ち運びもしやすいのも嬉しい。カウンターや棚など、気分によって置く位置を変えてみるのも面白いかもしれない。
影の立役者はサーバー。作業のお供にもGood
思いのほか気に入ったのが、このサーバーの使い勝手。コンパクトな見た目もさることながら、真空二重構造なので表面が全く熱くならない。机を気遣うことなく直置きできるのは結構ありがたい。
また保温力にも優れているので、読書や映画鑑賞のほか、在宅ワークをしているときに2杯目を注いでもそれなりに温かいコーヒーが飲める。ただし蓋の注ぎ口は密閉されてないので、市販のサーモポットに比べるとその効果は劣る。が、それでもこれは嬉しい (30分後でまだ十分熱く感じ、1時間後は約41度)。
まとめ:デザインで選ぶならこれ一択
1週間と短い期間ではあったが、『BALMUDA The Brew』使ってみた感想をまとめてみた。これから日に日に寒くなり朝のハンドドリップが億劫になる季節、コーヒーメーカーを検討している人も多いかもしれない。
「デザイン性の高いコーヒーメーカー」を探しているのであれば、ぜひ選択肢に加えてみてほしい。僕はコーヒーメーカーを持っていないので他社製品との比較はできないが、普段淹れるドリップコーヒーでは表現できない味わいで、すごく美味しかった。ごちそうさまでした。