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手間の少なさも魅力的。ROK Coffee の本格エスプレッソメーカー『EspressoGC』レビュー

パーツは最小限、手間いらずの本格エスプレッソメーカー。

イギリスはロンドンで生まれ、欧米や東南アジアを中心に20ヶ国以上に展開するコーヒー器具メーカー「ROK Coffee」。その製品展開には手動グラインダーやドリッパーもあるが、彼らの原点は2003年に量産を開始した手動エスプレッソメーカーだ。

2019年には2年もの歳月をかけて開発した『EspressoGC』をリリース。今回はそちらを頂いたので、紹介していきたい。なお以前紹介した手動エスプレッソメーカー「Flair Espresso」との違いも最後に触れておこう。

EspressoGC | ROK Coffee Japan 公式サイト

Contents

シンプルな操作感。ROK Coffee のエスプレッソメーカー『EspressoGC』

こちらが今回紹介したい ROK Coffee (ロックコーヒー) の手動エスプレッソメーカー『EspressoGC』。一番の魅力はシンプルな操作感にある。コーヒー粉を入れてタンピング (ギュッと押しつけ) をし、お湯を注いでハンドルを下ろすだけ

ステンレスで覆われた筐体はずっしりと重厚感があり、ヒヤッとした触り心地。エスプレッソはダブルショット分抽出できるので、カフェラテもたっぷり飲める。付属のダブルスパウトを使うとシングルショット×2を淹れることも可能だ。

カラーは僕が使う「EspressoGC (シルバー)」に加え、マットブラックの筐体が目を引く「EspressoGC Black (ブラック)」の定番2色。価格はシルバーが税込26,700円、ブラックが28,500円なのでなんとか好みで選べそうだ。

■ROK Coffee とは?
「Feel the Coffee (=コーヒーを感じる)」をコンセプトに掲げるロンドン発のコーヒー器具メーカー。数字ではなく、繊細に変化するコーヒー豆や温度、気候に至るまでの全てを肌で感じ取り、感覚でコーヒーを淹れる事にこだわっている。

ROK EspressoGC のセットパーツはこんな感じ

  • ポルタフィルター
  • タンパー
  • ドージングファンネル
  • ダブルスパウト

EspressoGC 本体を除いて、一緒に入っているパーツがこちら。パーツがあまりにも少ないので先にサラッと紹介しておこう。

ポルタフィルター

ポルタフィルターは極細挽きのコーヒー粉をセットするパーツ。持った感じは見た目ほど重くなく、使わないときは本体の中央に立てかけて省スペースで収納できる。

ドージングファンネル

ドージングファンネルとは、コーヒー粉をポルタフィルターに入れる際にこぼれにくいよう補助してくれるもの。

タンパー

タンパーは名前からも想像できるように、コーヒー粉をタンピング (ギュッと押す) ためのパーツ。ただ ROK Coffee のものは少し特殊で、取手が横に付き、素材も金属製ではないのでちょっと力を入れづらい。

そこで写真のように、手のひらで押すようにしてる。女性の場合は全力で押してもらってOKだと思う。男性も最初は全力でトライして、後から加減して調節するという感じで良いと思う。

あと実はこのタンパー、コーヒー豆や粉をすくうための計量スプーンとしても使えるそうだ。他とは違うタンパーデザインも腑に落ちた。

ダブルスパウト

ダブルスパウトは、ダブルショットを2つに分けてシングルショットにしてくれるもの。EspressoGC のようにダブルショット抽出用のエスプレッソメーカーには嬉しい。

ROK EspressoGC でエスプレッソを淹れていく!

そもそもエスプレッソは「粉の挽き目」「粉の量」「タンピングの力加減」の3つによって濃度感を決めていく。EspressoGC で美味しく淹れるときのポイントなども交えつつ、実際にエスプレッソを淹れていこう。

STEP
本体をお湯で温める

抽出する前にアームを下げた状態で熱湯を注ぎ、1分ほど温める。お湯を満帆まで注ぐと捨てにくいので、上から5mmほど下まで注ぐようにしてる。

STEP
コーヒー豆を極細挽きにする

温めてる間にコーヒー粉を挽いておく。目安は極細挽き。ROK Coffee だとグラインダーは2~8クリックが目安とのこと。

ちなみに僕がよく使う 1Zpresso の『JPpro』ハンドグラインダーだと3.5、女性は少し粗めの3.8くらいが良いと思う。粉の量は16-18gがおすすめ。

STEP
ポルタフィルターに粉を入れてタンピング

本体に溜まったお湯を捨てて、ポルタフィルターに粉を入れる。粉が溢れないようにドージングファネルを使うが、少し不安定なので指先で固定するようにして使おう。

粉を入れたら軽く平に馴らしてタンパーでタンピング。使い始めはまず全力で。やりすぎかな?くらいが丁度良かったりする。

あとは本体の4時の方向にセットして、6時に向けて回すと固定される。しっかり固定することで圧力もかかりやすいようだ。

一応ステンレス製のタンパーもあるようなので、付属のもので物足りなければ検討してみるものあり。

STEP
お湯を注ぐ

アームが下がった状態で、上から5mmほど下の位置までお湯を注ぎ入れ、アームをゆっくりと上にあげる。

お湯の温度は93~96度くらいが推奨とのことだけど、僕は濃度感を少し下げたいので90~93度にしてる。焙煎度合いが浅いほど高い温度が最適だ。

STEP
エスプレッソを抽出する。

アームをゆっくり降ろし、25~30秒ほどかけて抽出するのが理想的。男性の僕が割と力を入れてこれくらいの時間で抽出できた。

挽き目を粗くすると圧力が軽くなり、必要な力が減るけれど、濃いエスプレッソを淹れるならこれくらいの時間をかけた方が良いと思う。

EspressoGC は5~10気圧ほどで抽出できるクレマをしっかり出すためには、アームを下げて抵抗を感じたタイミングで一旦ストップし、10~15秒ほど軽い力をかけてステイ。その後さらに力をかけてグッと下すと綺麗にできるので、ぜひ。

うまく抽出できないときはどうする?

「アームが硬くてエスプレッソを全く抽出できない」「逆にアームが緩すぎて勢いよくエスプレッソが出る」といった場合はどうしたらいいの?そんな質問に答えておこう。まとめるとこんな感じ。

■アームが硬くて全くエスプレッソが抽出できない場合
①:コーヒー粉の挽き目を粗くする
②:コーヒー粉の量を減らす

アームが緩すぎて勢いよくエスプレッソが出てくる場合
①:コーヒー粉の挽き目を細かくする
②:コーヒー粉の量を増やす

コーヒー粉が細かすぎたり、その量が多かったりするとアームが押し下がらず、圧力だけがかかる状態になってしまう。器具本体にも負担がかかるので、思い切って挽き目を粗くしよう。分量を1~2gほど減らしてみるのもおすすめ。

対してアームが緩すぎてエスプレッソが勢いよく出る場合は、粉の挽き目を細かくするか、その量を増やすといい。またタンピングはなるべく平にしよう。斜めだと均等に圧力がかからず、成分の抽出にムラが出てしまう。

Flair Espresso (PRO 2) と比較してどう?

  • 手間いらずで気負わず使えるのは『EspressoGC』
  • より濃厚なエスプレッソができるのは『FLAIR PRO 2』

ダブルショットを抽出できる『EspressoGC』を検討している人は、同じくダブルを抽出できる Flair Espresso の上位モデル『FLAIR PRO 2』が候補に上がる人も少なくないだろう。

そこで両者を使ってみた印象が上記。クオリティ的には44,800円 (税込) の FLAIR PRO 2 にやや軍配が上がると思うけど、EspressoGC も捨てがたい。もう少し掘り下げてまとめておこう。

手間いらずで気負わず使えるのは『EspressoGC』

手間要らずなのは『EspressoGC』。コーヒー粉とお湯をセットして、アームを下ろすだけで抽出できる手軽さは、まるでマキネッタの使用感だった。ただ味わいはそれより濃厚なので、マキネッタじゃ物足りない!という人に嬉しいはず。

お手入れも水洗いだけで済むし、パーツも少ないので全く手間に感じない。ただ本体の抽出口 (シリコン素材の部分) に粉が付いてしまい、その部分だけを洗うのは難しい。そこで本体ごとシンクに入れてサッと水洗いしてる。

あと個人的に一番お気に入りなポイントを話すと、大きいサイズのマグやグラスへ直接エスプレッソを落とせる点!これが本当に素晴らしい。落ちた瞬間ミルクに入ることで風味が劣化するのを防げるし、なんせすぐ飲めるのが最高だ。

より濃厚なエスプレッソができるのは『FLAIR PRO 2

エスプレッソのクオリティでは『FLAIR PRO 2』に軍配が上がった。クレマの量が多く、とろみもあり濃厚。また圧力ゲージも付いてるのでエスプレッソ抽出に最適な6~9気圧を確かめられる。初心者には嬉しい指針だ。

一方でこちらが 『EspressoGC』のエスプレッソ。舌触りがサラッと軽く、クレマもやや少ない印象。とはいえ味が薄いという訳ではなく、エスプレッソの風味が透き通ったような、優しい甘さを感じやすい

特に浅煎りのスペシャルティコーヒーだとその印象を受けやすい。華やかさやフルーティーさを伴うエチオピア産のコーヒー豆を使うと、ミルクの甘さがより際立ち、個人的にはとても好みの味に。浅煎りが苦手な人にも勧めたい。

まとめ

こんな感じで ROK Coffee の『EspressoGC』について書いてみた。そのユーザー数は意外にも東南アジアやインドネシアに多いとか。お酒の販売、飲酒に対する規制が厳しい国も多く、コーヒー・カフェ文化が浸透しているからだそうだ。

デザイン柄持ち運びもしやすいし、奥行きがないので収納もしやすい。何より抽出口から底まで距離があるおかげで、カップやグラスをほぼ選ばずに使えるのが最高だ。手間なく本格的なエスプレッソを淹れたい人に、ぜひ使ってみてほしい。

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