快適な注ぎライフをお求めなら、これがベストかも。
コーヒーに特化した個人メディアを運営する柄、ドリップケトルを試す機会は多い。あれこれ試した中で、電気ケトルの中で結局一番注ぎやすいのは Brewsita (ブリューイスタ) だと確信してきた。豊富な機能性も心強い。
とはいうものの、満足する注ぎ心地は “慣れ” が大部分を占めるようにも感じる。愛用するケトルにイマイチ満足できてない人や、初めてのドリップケトルの購入を検討している人はこの記事を参考にしてみてほしい。
プロも愛用する Brewsita (ブリューイスタ) の電気ケトル
Brewista は2014年にアメリカで生まれたブランド。購入の決め手は「1度単位の温度設定」と「保温機能」、そして大きな曲線を描く「グースネックノズル」が快適に注げると評判だったから。実際ドリップの競技会でもよく使われる。
価格は24,200円 (税込) とお高め。一方サイズは0.6Lとやや少なく、3杯以下のドリップに特化する印象を受けた。ちなみにロゴは2021年11月1日よりリニューアルされている (※半年前に旧ロゴで書いたこの記事も、新ロゴケトルでリニューアル)。
◆ Brewista:Artisan Gooseneck Variable Kettle
【サイズ】ケトル(0.6L):幅31×奥行14×高さ18cm
電源ベース:幅23×奥行19.5×高さ5.5cm
コード長:(約)120cm
【重さ】約1355g (電源ベース含む)
【素材】ステンレス
【容量】最大600ml
木目調からシンプルまで、豊富なカラーリング
Pearl White Matte Black Stainless Steel Pure Black Pure White
カラー展開は5つ。木目調がアクセントの「Pearl White」「Matte Black」「Stainless Steel」、シンプル路線でいえば 2020年10月に発売されたばかりの「Pure Black」と「Pure White」がラインナップしている。
なお「Stainless Steel」のみ1.0Lサイズも用意されてる。どれにするか悩んだ末、僕が選んだのは「Pure White」。シルバーやブラックのケトルはよくお目に掛かるが、真っ白は案外少ない気がした。質感は滑らかで、ハンドルはマットに仕上がっている。
狙ったとおりに注ぎやすいグースネックノズル
実際に注湯してみて、一番驚いたのがグースネックノズルだ。文字通り、まるでガチョウの首のように大きな曲線を描くノズルは、細くも太くも注ぎやすい。先端が丸くなているので、ドリッパーに至近距離から注湯できるのも一層注ぎを快適にしてくれる。
参考になるかは分からないが、点滴状に注ぐことだって可能だ。なおノズルは一見横幅をとるように見えるものの、収納する場面でとくに困ることはなかった。
ボタンは多いが操作性は至ってシンプル
基本使うのは「+」「−」ボタンでの温度調節と保温 (ボタンを押すと緑のマークが点灯、保温されてるのが一目でわかる)。保温は自動保温ではないので、注湯して電源ベースに戻すたびにボタン押すのが少々手間だが (押し忘れがち)、あるのと無いのとでは雲泥の差。
それ以外は用途によって使う頻度が変わる。急速沸騰はインスタントを作るときには重宝するし、大まかな温度だけを切り替えて表示できる温度設定ボタンは白湯を飲むときに助かる (詳しくは後述) 。
タイマーは正直使わない (というより活用方法が見つからない。ケトルを外した際にしか機能しないのだ。むしろ教えてほしい) ので割愛。
実際に半年間 Brewsita の電気ケトルを使ってみてどうなの?
- 沸騰スピードが速い
- 40度から温度設定できるので白湯 (さゆ) にも向いてる
- 強化ガラスはお手入れしやすい
- 好みが別れるとしたら電源ベースだろうか
沸騰スピードが速い
▼検証条件:
10月末で室温24度、水温19度の水300mlを同時に沸騰させる
▼検証結果:
・カフェケトル : 2分09秒
・FELLOW : 4分06秒
・Brewista : 2分46秒
一気に冷え込み始めた10月末、沸騰スピードを検証してみた結果はこのとおり。沸騰機能しかない Russell Hobbs のカフェケトルはやはり速い。次に Brewista と続き、ほぼ同じ価格帯・機能を詰め込んだ FELLOW に勝利した。
FELLOW は Brewista と同様、僕が愛用するケトル。なので一応敗北の言い訳をしておくと、彼はスタートダッシュを切るのが苦手。25度から95度くらいまではほぼ同じペースで疾走するものの、最後は慎重にゴールテープを狙う。90度くらいに温度設定して競争させるとほぼ同着だ!
40度から温度設定できるので白湯にも向いてる
また話は若干逸れるが、白湯 (さゆ) は秋から冬にかけてよく飲む。美肌効果や便秘解消目的というよりは、身体を温めたいから。そんな白湯に適した温度は約50度だそう。
Brewista は40度と低い温度から設定できるので、50度は朝飯前。加えて温度設定ボタンを使うと50度を瞬時に表示することができるので、「+」「−」ボタンを連打する必要がない。万人受けする訳ではないが、寒い朝に早く温まりたい人はこの恩恵を受けてみてはどうだろうか。
【温度設定ボタンで設定可能な温度】
40℃・50℃・60℃・70℃・80℃・85℃・88℃・96℃・98℃
強化ガラスはお手入れしやすい
電源ベースの表面は強化ガラスで覆われているので、水垢等の汚れをサッと拭き取りやすい。公式サイトもお手入れが楽と謳っているが、最近は強化ガラス素材により楽というより「電源ベースの形状により手入れしやすい」印象を受けはじめた。
FELLOW の電源ベースと比較するとよく分かる。ベース中央の突起部分の規格はおそらく同じだが、その周りが Brewista はフラット。よりテーブルを拭くのに近い感覚で拭き取れるのだ。
好みが別れるとしたら電源ベースだろうか
FELLOW Brewista Russell Hobbs
ここまでポジティブな面をつらつらと綴ってきたが、好みが別れそうな、個人的にはネガティブな側面も見えたので最後に書いておこう。
まず少し分厚く感じる。Rrussell Hobbs のケトルは保温や温度調節機能がないシンプルなケトルなので、この薄さは当然。そして FELLOW より充実の機能を詰め込んだ Brewista は厚みが出てしまう (ただし比較せず単体で見るとそこまで大きくも感じないので、結局なんともいえない)。
あと少し細かいが、コードの長さが 120cm とやや長い?気もする。わが家のキッチンだと3分の1ほど持て余してしまう。一応トースターの後ろに隠せているが、個人的には 80~100cm くらいが理想的。
まとめ
こんな感じで Brewista の『Artisan Gooseneck Variable Kettle』を紹介してみた。使い始めは保温や一度単位での温度調節に満足感を覚えていたが、半年間色々なケトルを使っていると、一見地味な機能にありがたみを感じてきた。
急速沸騰ボタンを押すと、普通のケトル同様ワンクリックで沸騰するし (インスタントを食べるのに便利)、前述のとおり白湯もすぐ注げる。豊富な機能性は電源ベースを大きくしがちだが、幅広い日常シーンで使う上ではメリットが勝る。気になる人はぜひチェックしてみてほしい。