ついに憧れのコーヒースケール『Acaia (アカイア)』を買いました。
Fellowの電動ミル「Gen2」をキッチンボードに置いてからというもの、コーヒー環境をホワイトで統一したい欲求が沸々と。以前から愛用していたPOURXのスケールをベンチに下げ、Acaiaスケールを迎えることにしました。
結論、すごく良い。5,000円で買えるハリオのスケールから乗り換えるべき?と聞かれると若干疑問ですが、これは多分ロマンの世界。Acaiaに憧れている人に向けてレビューしていきます。
Acaiaって?一番安いモデルを買ったわけ
Acaiaは、コーヒーを趣味で楽しむ人向けというより、プロ向けのコーヒー器具を展開するブランド。スケールをはじめ、豆を自動で計量できるビーンドーサーなどが有名です。
今回購入したモデルは、Acaiaスケールの中でもポピュラーかつドリップ向きの『Pearl (パール)』 。これの上位には「Pearl Model S」という、専用アプリを使ってスケールにレシピを直接登録/共有できるモデルもあるんですが…
⚫︎23,980円もするPearlよりさらに9,000円近く高い
⚫︎レシピを登録/共有できる器具を過去に使ったが、その機能を使い続けた試しが一度もない (前使っていたスケールもそう)
⚫︎見た目がPearlとほぼ同じ
という理由から、時間と重さを量るだけが目的の僕にはPearlがベストでした。
ちなみにPearlも「Brewmaster」や「acaia coffee」アプリを使うと、SNS上にマイレシピを共有できます (レシピの登録は不可) 。
一方でPearl Sは、「Brewguide」アプリを使ってスケール本体に直接レシピをダウンロード可能。自分のレシピを共有する際は「レシピをアプリ内でQRコード化→Pearl Sユーザーに読み取ってもらう」ことで共有できるそうです。
また、Pearl Sは抽出時に文字ガイドをスケール上に表示できるのもポイント。実際にドリップしている様子がこちら。
いや〜改めて観ると文字が表示されるのカッコいい……。今更だけど少し惹かれてる自分がいる🙄充電はどちらもUSB Type Cでできます。
その他のAcaiaモデルには、エスプレッソ用に少し小型な「Lunar」、旅行にも持ち運びしやすい超小型な「Pyxis」の2つがあります。Lunarはいつかほしい。
Acaiaの定番コーヒースケール『Pearl』
さてこちらが今回購入したAcaiaのコーヒースケール『Pearl』。本体はポリカーボネートという耐久性の高いプラスチック素材から成り、「頑丈だけど軽い」が魅力。
他のスケールより厚みがあるから重いのかと思っていましたが、実際は全く。タイムモアの定番スケールが517gで、Pearlが500g。むしろ軽い部類に入りそうです。サイズ感は慣れるまで大きく感じました。
1回の充電で稼働する時間は30~40時間。以前使っていたPOURXの唯一とも言える欠点が稼働時間の短さ (感覚だと4時間くらい) だったので、約10倍になったのは最高です。
ディスプレイの上部に表示される流速インジケータを確認できるのも特徴 (明るい環境だとホワイトは見えにくい) 。感知した重さに応じて丸の数が変動するので、視覚的に流速を確認することもできます。
カラー展開は「CLASSIC BLACK」と僕が購入した「CLASSIC WHITE」、黒一色で統一された「PITCH BLACK」の3色。
使い方と、シーンに合わせて使える5つの計量モード
基本的な使い方は、他のコーヒースケールと同じ。左下の電源マークが電源のオン/オフとタイマースタート機能を、右下のTマークが重さの袋引き (ゼロにする) の役割を果たします。
モード①〜③:他のコーヒースケールでもお馴染みの機能
Pearlには計5つのモードが備わっていて、モード①は計量するためのモード (0.1g単位) 。
モード②は、お湯を注ぎ始める直前にタイマーボタンを押し、ドリップを開始する「ドリップモード」。こちらも0.1g単位で表示してくれます。
ここまではAmazonの格安スケールと同じ。モード③は、お湯を注ぐとタイマーが自動でスタートする「自動抽出モード」。水玉マークが表示されます。
Acaiaは価格が高いだけに (?) 重さのレスポンスも早く、それでいて正確に表示してくれます。後述するモード設定で、より正確に表示するように変更することも。
さてPearlには「ポルタフィルターモード」と「飲料モード」も備わっています。僕は今のところ使っていないですが、一応書いておきます。
モード④:ポルターフィルターモード
ポルタフィルターに入れた粉の量を簡単に計測できるモード。ポルタフィルターをスケールに置くと、その重さを0gとして、ポルタフィルターの重量をオートで袋引き。
その後ポルタフィルターに粉を入れて、一定時間以内に再度スケールの上に置くと、ポルタフィルター内の粉の量がディスプレイに表示されます。
ただデフォルトの設定だとちょっと難点が。「フィルターに粉を入れる→タンピング→スケールに戻す」までの作業を15秒で終えないといけないようで……。
これはさすがにできなかったので、後述するモード設定画面で「ポルタフィルター自動リセット設定」の時間を「60秒」にするのがベターです。
モード⑤:飲料モード
モード⑤は細かくデータを取りたい人向けの「飲料モード」。使ったコーヒー豆の量 (左) と、実際に出来上がったコーヒーの量 (右) の比率を測定できるモードです。
左側に「CUP」と表示されるので、カップかサーバーをスケールに置き、Tボタンを長押し。
すると左に「FLT」(Filter)の文字が。ドリッパーとフィルターをカップの上に置き、Tボタンを長押し。
最後に「COF」(Coffee)と表示されるので、コーヒー粉をフィルターに入れ、Tボタンを長押しします。
お湯を注ぎ始めると自動的にタイマーがスタート。時間と重さを見ながらいつものようにコーヒーをドリップします。
ドリップし終わったら、ドリッパーを取り外すと自動的にタイマーが止まります (もしくは電源ボタンをタップしてもタイマーは止まる) 。
するとディスプレイに、コーヒーを抽出した時間と使った水の量、ドリップされたコーヒーの重量、使用した豆と最終的にドリップされたコーヒーの重量の比率が順番に表示されます。
モードの切り替えはコンフィギュレーション画面で
上記のモード変更の操作に加えて、そのほか細かな設定はコンフィギュレーション画面で。電源オフの状態で電源ボタンを長押しすると、その画面に。Tマークを押して設定を変更できます。
設定 | 説明 | ディスプレイ表示 | オプション(選択肢) | デフォルト値 |
---|---|---|---|---|
スリープタイマー設定 | スケールが自動的に電源オフになるまでの時間の設定 | SLEEP | 5, 10, 20, 30, 60, Off | 5 |
輝度設定 | ディスプレイの輝度の調節 | bright | 1, 2, 3, 4 | 2 |
バッテリー節約設定 | 「バッテリー節約」モードに入るまでの秒数の設定 | bAttSAvE | 30, 90, 180, Off | 90 |
ゼロトラッキング設定 | 重量計測値のばらつきをゼロ点で補正して、スケールを使いやすくするための機能の設定 | trAcE | 0.5 d, 1 d, 2 d, 3 d, Off | 2 d |
キー音設定 | ビープ音のオン/オフの切り替え | bEEP | On, Off | On |
計量フィルター設定 | レスポンス速度と重量の決定 | FiLtEr | Fast, Normal, High | Fast |
デフォルトの計量単位設定 | 計量単位の切り替え | Unit | Gram, Ounce | Gram |
計量分解能設定 | 重量の計量における分解能の切り替え | rESoL | Default, High, Precise | Default |
計量モード設定 | 計量モード設定のオン/オフの切り替え | NodE_1 | On, Off | On |
デュアル表示モード設定 | デュアル表示モード設定のオン/オフの切り替え | NodE_2 | On, Off | On |
プアオーバー自動開始モード設定 | プアオーバー自動開始モード設定のオン/オフの切り替え | NodE_3 | On, Off | Off |
ポルタフィルターモード設定 | ポルタフィルターモード設定のオン/オフの切り替え | NodE_4 | On, Off | Off |
飲料モード設定 | 飲料モード設定のオン/オフの切り替え | NodE_5 | On, Off | Off |
Bluetoothセットアップの設定 | Bluetooth接続のオン/オフの切り替え | bt_SEt | On, Off | On |
流速インジケータ設定 | 流速インジケータの表示のオン/オフの切り替え | FLorAtE.d | On, Off | On |
重量安定インジケータ設定 | 重量安定インジケータの表示のオン/オフの切り替え | StAbLE.d | On, Off | Off |
自動リセット設定 | プアオーバー自動開始モードで、カップを持ち上げた後、タイマーと重量が自動的にリセットされる機能のオン/オフの切り替え | Auto.rES | 20, 60, Off | 20 |
ポルタフィルター自動リセット設定 | ポルタフィルターモードで、ポルタフィルターを持ち上げた後、重量が自動的にリセットされるまでの時間の設定 | Port.rES | 15, 30, 60, Off | 15 |
デフォルト設定にリセット | すべての設定を初期設定値に戻す設定 | rESEt.d | Yes, No | No |
この設定が嬉しい!輝度設定とバッテリー節約設定
スケールには珍しく、文字の明るさを設定できる「輝度設定モード」が搭載されています。1〜4段階中、初期設定値は「2」。
野外や窓際で使用するときは「4」に設定するなどして、視認性をアップさせることができます。
そしてスケールの電源を切り忘れる人に嬉しいのが「バッテリー節約設定」。設定した時間が経過すると、ディスプレイが暗くなるというもの。明るさが大きく落ちるわけでもないから「30秒」でも良さそう。
実際にAcaiaのスケール「Pearl」を2ヶ月間使ってみて
Acaiaを迎えてからまもなく2ヶ月半。今やサイズ感も気にならないし、ビープ音のボリュームは最初からちょうど良い。重さのレスポンスも正確かつ早く、現時点での感想は大満足です。
ただ使う上での注意点というか、買ってから知ると残念に感じそうなポイントもあるので最後にそこだけ書いておきます。
自動抽出モードが向いている人と、そうでない人
それが自動抽出モード (モード③) だと「途中でドリッパーを持ち上げるとタイマーが止まる」こと。
蒸らしのお湯を注いだ後に、粉とお湯が接するようにスプーンで粉を混ぜる人もいるかと思います。この方法なら大丈夫。ただ僕は面倒なので、ドリッパーを揺すって若干大雑把にかき混ぜる派。
揺するためにドリッパーを持ち上げると、まだ一投目にもかかわらずタイマーがストップ。最後のお湯を注いだ後に揺すってもストップしてしまいます。
そこで僕と同じようなドリップスタイルの人は、自動抽出ではなくモード②のドリップモードをメインで使うことになります。
逆に、ドリッパーがプラスチックや薄いガラス素材で軽いものは、落ち切った後に持ち上げてもタイマーが止まらないことも。今使っているAprilのドリッパーは止まりませんでした😢
サーバーごと持ち上げると、重さの落差でしっかり反応してくれます。
ホワイトスケール特有の視認性は?
白を選んで懸念していたのが「文字の視認性」。なんですが、室内で使う分には普通に見やすいです。2021年にPearlがアップデートされたタイミングで、ディスプレイの視認性も向上したようですね。
日当たりが良いリビングの窓辺で使ってみても、輝度設定を「4」にすると問題なく使えました (写真ではちょっと見えにくいけど) 。ただ野外ではやはり見えにくいはずなので、デイキャンプにも使う人は黒一択になりそう。
あと、流速インジケーターを見ながらドリップしたい人も黒一択。輝度を上げてもインジケーターの明るさだけはなぜか変わらない (涙)
まとめ
こんな感じでAcaiaのコーヒースケール『Pearl』を使った感想を綴ってみました。傷つきやすさは、2ヶ月半使った時点では問題なさそう。なので最近は耐熱パッドを外してドリップすることも増えてきました。
耐久性も文句なしかなと。ブルーボトルの全店舗で使用されているし、昨日訪れたArabica Tokyoでも粉まみれになりながら稼働していました。前から気になっていた人はぜひチェックしてみてください😌