「この豆の量なら必要なお湯はこれくらいです」を提案してくれる、新感覚コーヒースケール。
まず豆とお湯の比率を登録し、コーヒー粉をドリッパーに入れると自動で必要な湯量が表示される。そしてその湯量に到達する直前になると文字盤が点灯し、もうそろそろ終了ですよ〜。と教えてくれる。
「あ〜ちょっと濃かったから比率を 1 : 16 から 1 : 17 に変えるか〜」といった感じで、比率を調節することで好みの味わいを見つけていくのだ。
そんな Brewista の『Ratio Scale』は16,280円 (税込) と正直高い。加えてこれまでとは全く別の淹れ方をするスケールときたから、デザインが好みだったり、比率でコーヒー淹れる暮らしをしてみたい人におすすめ。
基本性能も文句なしに高い Brewista の『Ratio Scale』
こちらが今回レビューしていきたい Brewista の『Ratio Scale』(サンプルをお借りしました)。画面は HARIO に比べずいぶんと明るいので、ドリップしてる最中でも横目でチラッとグラム数を確認できる。
豆やお湯の重さを表示するレスポンスの速さもまた HARIO に比べて格段に速い (タイムモアとは甲乙つけ難かった)。コーヒー豆を量るときも瞬時に反応してくれるため「さっきピッタリだったじゃん〜!」となることもずいぶん減った。
気になる点といえば、大きさ。他と比べると面積も高さもサイズアップされてるので、場所を取られず淹れたい人には向いてないけれど、コーヒー道具は圧倒的に置きやすい。
◆ Brewista / Ratio Scale
⚪︎サイズ(約):W165×D198×H38mm
⚪︎計測範囲:0.1g~2,000g
⚪︎付属品:シリコンパッド、保護カバー、充電ケーブル
⚪︎生産国:中国
六角形が印象的な外観レビュー
特徴的なのは六角形のフォルム。前述のとおり余裕を持ってコーヒー道具を置けるので、Karita のように底が広めのサーバーもすっぽり収まる。
また実際の計量面はステンレスになっているため、普段はコーヒー道具が滑らないように、また傷が付かないようにシリコン製のカバーを付けてる。タイムモアとは違い “はめる” という感覚に近いので、そう簡単に外れることもない。
充電はUSB式 (Type-B)。ボタンはカチッと音が鳴るタイプのため「あれ、タイマー押したっけ?」とすっとぼけずに済む。一方でボタンの数は他よりも断然多いので、その使い方もモードの説明と併せて綴っておきたい。
使っているモードはスケールとオートのみ!
Ratio Scale には以下の3つのモードが搭載されている。
⚪︎ スケールモード
⚪︎ オートモード
⚪︎ マニュアルモード
まずは多くの人が使い慣れてるであろう「スケールモード」。俗に言う HARIO と同じ、時間と重さのみを測るモードだ。
電源をONにしたら、画面に大きく「SCALE」と表示されるまでMODEを押す。あとはZEROを押して重さをゼロにし、TIMERを押してドリップし始めるだけ。
そして比率で淹れられるのが「オート」と「マニュアルモード」。ただ個人的にはマニュアルはオートに比べて使い勝手が良くないと感じ、現在はオートしか使っていないため、その使い方だけ記しておきたい。
まずコーヒー道具は置かずに電源をONにし、画面左上に「A」と表示されるまでMODEを数回押す。次に比率の設定。RATIOボタンを3秒ほど長押しすると右上に比率(1 (豆) : 10 (お湯) ~ 1 : 20 まで選択可能)が点灯する。
好みの比率が表示されるまでRATIONボタンを数回押し、表示されると再度3秒ほど待機。
画面が元に戻りコーヒー道具を置くとそのグラム数が表示されるけれど、これも3秒ほどすると勝手に0になる。
(ちなみにマニュアルだ
と道具の重さのリセットを自分でしないといけない)
画面左上にコーヒー豆のマークが表示されているので、ドリッパーに粉を入れる。そしてRATIOボタンを押すと必要な湯量が画面右上に表示される。
あとはお湯を注ぎ始めるとタイマーも自動でスタートするので楽ちんだ 。ちなみに表示された湯量まで60gを切ると、画面全体が点滅し始める。ただ画面が見にくくなるので個人的にはあまり好きじゃない。
とまぁこんな感じで、最初は慣れないけれど10回ほど使うとスラスラ使いこなせるようになってきた。
ちなみに注ぎ始めると目盛りが10秒間隔で増えていき、さらにその下には自分が注いだ湯量に合わせて増えていく目盛りもある。Brewista 曰く、上の目盛りの増加スピードに下の目盛りが追いつくように淹れる、とのこと。
しかしゆったりと淹れたい珈琲時間になぜ焦らされてるのだ?となり、この目盛りはスルーしてしまってる…。
一ヶ月ほど色々と試してみた感想
⚫︎ 慣れてる分スケールモードを頻繁に使ってしまう
⚫︎ 気分転換や豆が中途半端に残ったらオートで必要な湯量を教えてもらう
⚫︎ ただしオートだとドリッパーを揺すった時に測定が止まってしまうことも
約1ヶ月間ほど使ってみた感想はこんな感じ。やはり HARIO のスケールで染み付いた時間と重さのみを測れるシンプルさから離れられず、結局80%ほどはスケールモードを使っている。
では残りの20%はどうなの?というと、いつもと違う淹れ方をしたい時や、コーヒー豆が微妙に余った時にオートモードを利用して比率で淹れている。このうち後者がぼくの中ではお気に入り。
理由はというと、普段はお湯 100ml に対して豆 7g ほどを使うけれど、豆が 5g とか 11.2g とか、微妙に余ったときに必要な湯量を自動で導き出せるから。計算がパッとできればいいけれど、ぼくはそうじゃないので比率はすごく助かる。
ぼくと同じように 100ml に対して豆 7g でコーヒーを淹れてる場合は 1:14 の比率に設定するといつもどおり美味しく淹れられる。(他の豆とブレンドして普通に淹れるときもあるけどね)
あとオートの注意点としては、タイムモアと同様、抽出してる際にドリッパーを揺すり少しでも浮かしてしまうと、抽出が終了したと思われて測定がストップしてしまうところ。揺する派の人は気をつけた方がいいかも。
まとめ
こんな感じで Brewista の『Ratio Scale』を紹介してみた。大きいサイズ感はやはり気になるものの、重さのレスポンスも速さや広い軽量台、外れにくいシリコンシートから、お湯を注いでる最中でもグラム数を確認しやすいディスプレイまで、とても使いやすいスケールだった。
ただそれでも5,000円台で購入できるタイムモアと機能性の高さはほぼ同じ印象を受けたので、冒頭でも伝えたように「比率で淹れたい!」という人や、唯一無二のデザイン性がどツボな人にはぜひおすすめしたい。