一万円以下でほぼ全部入りのドリップケトル。
東京スカイツリーから徒歩5分のコーヒーショップ「Berth Coffee “Haru”」で、バリスタさんが使ってるのを目撃してからずっと気になってた山善のドリップケトル。まさかのオリフィーの祖母が使ってるとのことで、お言葉に甘えて借りてきた。
(ありがとうおばあちゃん!)
先に結論から話しておくと、ドリップケトルとして十分使えるレベル。とはいえ気になる点もちらほらと。なので、「FELLOW や Brewista などのハイエンドモデルと比べてどうなの?」という点も交えつつ、使った感想をレビューしていきたい。
コスパが素晴らしい山善のドリップケトル
こちらが山善 (やまぜん) のドリップケトル。薄くミニマルな電源ベースには、美味しくドリップするために必須な「保温」や「一度単位での温度調節機能」から、あると嬉しい「急速沸騰」や大まかな温度を設定できる「プリセット機能」まで揃っている。
容量も800mlと比較的たっぷり入るようだ。カラーは「ブラック」と「ホワイト」の基本2色がラインナップ。価格は Amazon だと記事執筆時点で7,480円 (税込) 、すごく安い…。
◆ 山善 | EGL-C1280
⚪︎サイズ:幅28.5×奥行18×高さ22.5cm
⚪︎本体重量:0.9kg
⚪︎容量:0.8L
⚪︎温度設定範囲:60-100℃
⚪︎電源コード:0.7m
注ぎやすさと基本的な操作感レビュー
初めて注いだ感想は、「ハイエンドと比べてもなんら遜色なし」。最初は少しドバッとお湯が出る印象もあったけど、すぐ慣れるとから細く注げるようになった。お湯が斜めに落ちやすいノズルは、細くも太くも注ぎやすい。実際にバリスタさんが使ってるのが注ぎやすい証拠だろう。
基本的な操作は Brewista とかなり (見た目も) 似てる。「KEEP」を押すと最大60分保温され、温度計を押すと以下の温度から選択できる。なお温度の設定は60度から可能。オリフィー読者は知ってるかもしれないが、僕は白湯を毎朝飲むので50度からだと嬉しかった。
■プリセット温度
60℃・70℃・80℃・85℃・90℃・95℃
実際に山善のケトルを使ってみてどうなの?
1ヶ月使ってみたが、結論「約7,000円でこれは買い!でもハイエンドと比べると少し劣る」印象を受けた (当たり前だけど) 。
ドリップケトルの価格は抑えて、グラインダーなど他のコーヒー器具に投資したい人は気にならなそう。でもケトルにこだわりたい人も多いはず。なので使ってみて気になった点も細かく書いておこう。
沸騰スピードはかなり早い。他との比較も
▼検証条件:
11月末で室温20度、水温18度の水300mlを92度まで沸騰させる
▼検証結果:
・山善 : 2分34秒
・FELLOW : 2分19秒
・Brewista : 2分14秒
冷え込み始めた11月末、自宅で温度の上昇スピードを検証してみた。結果は見てのとおり3番手。価格通りの順番となった訳だが、かなり奮闘した方だと思う!水量によって差はさらに開くものの、300mlで20秒ほどしか変わらないなら十分活躍できそう。
ミニマルな電源ベースは省スペースで置ける
一番のお気に入りポイントがこれ。電源ベースが超薄い!『FELLOW の『Stagg EKG 電気ケトル』がついに日本上陸!シンプルな操作感に、安定した注ぎが魅力。』の記事で、FELLOW のベースの薄さを絶賛したが、圧倒的に山善が上手。
省スペースで置けるし、空間への圧迫感も軽減される。あとケトルをベースにセットすると、自動で電源がONになる点も面白い。ただし、ケトルの水を空にしてベースに戻す時など、今はOFFのままでいいよ!となる時もあるので一概には良いと言えなそう。
一番気になったのは、保温精度の低さ
ミニマルなベースに豊富な機能たちを詰め込んだからか、保温の精度は高くない。例えば92度に設定した場合、88度くらいから温度の急上昇と一時停止を2~3回ぎこちなく繰り返す。そしてドリップ中は気付くと94度まで上昇してることも。
温度が上がると雑味の原因にもなるので、せめて低くなる方が良かったかも。温度へのこだわりが強い人は、1万円超えのケトルがぴったりかもしれない。一方でデザインや注ぎ心地の優先度が高い人は、気にする必要なしだと思う。
なおこれは余談だが、電源を切ることなく温度を再設定できるのは便利。保温の精度の高さがハイエンドモデルとの大きな違いと言えそうだ。
なんと第3世代とやらが登場していた!
もうひとつ気になってたのが、割とドンっと貼られた警告シール。高級感に欠ける気もするので、この辺り改善してほしい……!と思っていたら、実は2020年末に新型が登場していた。
調べると、僕が今回レビューしてるのは第2世代とのこと。新型の第3世代は商品ページを見る限りメタリックな外観となっていた。フタの警告シールもない!驚いたことに祖母は新型の存在を知ってたみたいだが、デザインで第2世代を選んだらしい。
これは好みの問題だが、僕もおばあちゃんに同意。機能性が変わらないなら、世代関係なく好きなデザインを選びたい (ただしハンドル部分は新型の方が頑丈になったみたい) 。
まとめ
こんな感じで山善の電気ケトルをレビューしてみた。電源ベースの薄さに加え、6~7,000円台でこの機能性の豊富さは改めてすごい。とはいえやっぱり気になるのは、保温中の “温度のブレ” だろうか。
解決策としては、92~94度で設定するのではなく、86~90度辺りのやや低めの温度で設定するといいかも。多少温度が上昇しても大きな影響はなさそうだ。とても手に取りやすい山善のケトル、初めての一台にはすごくおすすめ。