コーヒーのある暮らしはドリップポットから。
ここ最近のポット事情は、少し複雑かもしれない。デザインや注ぎやすさはもちろん、保温や温度調節、急速沸騰機能に至るまで、ハイスペックなものが増えてきた。そして彼らが目立つし (僕もそればかり特集してしまうが) 、大切なのは自分の暮らしに合ったポットを選ぶことだと思う。
それは決して高機能なものであるとは限らないし、むしろそれが邪魔になることも。そこで今回は、ドリップポットの選び方4つと、僕も愛用するおすすめポットを5つ、まとめて紹介していこう。
コーヒーポットの選び方について
ドリップポットのデザインや機能性はメーカーによって様々。自分に合ったポットのイメージを湧かせるようにしながら、前半を読んでみてほしい。
1、容量で選ぶ
容量は自分にぴったりと思うものより、ワンサイズ大きめを選ぶのがポイント。小さいとアイスコーヒーをたっぷり淹れるときや、思わぬ来客があるときにお湯を注ぎ足さないといけず、少し困る場面も。
もちろん小さい方が軽く、手が疲れないので注ぎやすいのはあるけど、ひとつのポットで柔軟にこなすならやはり大きめが理想だと思う。しかも大きめのポットでもそれ自体は軽いものが多いので、1杯ドリップするときに重さはさほど気にならない。
一応、僕が考えるドリップポットの容量の目安はこんな感じ。わが家は2人暮らしなので 600ml 以下で十分だけど、900ml の電気タイプを使ってる。
- ドリップバッグ用:200~300ml
- 1~2杯用:400~600ml
- 3杯用以上:700ml~
2、機能で選ぶ
ポットには「電気」と「アナログ」がある。想像できるように、電気ポットは保温や温度調節機能など、温度に敏感なコーヒー豆にとって嬉しい機能が詰まってることが多い。ただしその分高くなりがちで、容量は大きいものがほとんどではある。
一方でアナログは容量のラインナップが豊富で、デザインのバリエーションも多岐にわたる印象が。購入前にチェックすべきは「直火やIHに対応してるのか」「温度計が付いてのるか」「蓋はある?ない?」といった点だろう。
僕が思うアナログポットの理想は、温度計によりコーヒーに適した湯温を確認でき、傾けたときに中身が漏れないよう蓋も付いてるポット。この記事の後半で紹介するアナログポット3つのうち、2つはそれなのでぜひ参考にしてみてほしい。
3、注ぎやすさで選ぶ
ドリップポットの真骨頂が、細いノズルによるお湯の注ぎやすさ。ただしポットにより注ぎ感は大きく変わる。細く真下に落ちるように注げるものから、太く勢いよく注げるもの、細くも太くも注げるものまで、様々なポットで溢れている。
おすすめは、細くも太くも注げるドリップポット。というのも数杯分注ぐときに細くしか注げないと、抽出に時間がかかり、えぐ味などの原因になってしまうことも。フレンチプレスやカップ麺などのインスタント系にもドリップポットを使いたいなら、勢いよく注げる方が便利!
ノズルの先は「丸」と「鋭角」の大きく2種類あり、鋭角タイプは細くも太くも注ぎやすいイメージがある。1台だけポットを持つなら容600~700ml以上で、かつ鋭角ノズルのポットが便利だろう。丸タイプはその逆で、安定した湯量を注ぎやすい。
4、デザインで選ぶ
ドリップポットに限らず、コーヒー器具は一目惚れしたものを選ぶのが大切!。なので自分に合ったポットイメージが湧けば、あとはデザインで選んでみると良いと思う。けれど持ち手だけは、少し別で考えてみる方が良いかもしれない。
持ち手の握りやすさは、注ぎやすさに直結するように思う。とはいえ実物を手に取って検討するのは難しいことも多いので、購入前にイメージしてみてほしい。自分の手のサイズに合う?熱湯で持ち手まで熱くならないかな?などなど。
おすすめのコーヒーポット5選
- FELLOW | Stagg EKG 電気ケトル
- Brewista | Artisan Gooseneck Variable Kettle
- Beasty Coffee by amadana | コーヒーケトル
- Simple Real | TAMAGO コーヒードリップポット
- 珈琲考具 | ドリップポット Pro
FELLOW | Stagg EKG 電気ケトル
IT企業が集まるサンフランシスコ発の、知的コーヒーメーカー「FELLOW (フェロー)」。その電気ケトルはシンプルな操作感からとにかく扱いやすい。電源が付いてる間は自動で保温がONになり、その温度は57℃から1℃単位で設定できる。
極め付けは “ボタンがひとつだけ” という点。右下のダイヤル式ボタンで電源から、温度調節、タイマーに至るまでの全てをこなせる。また湯量を一定に注ぎやすいのも魅力だ。ケトルを傾けてもお湯の勢いがあまり変わらない。細すぎず、太すぎず絶妙な湯量。
ただしインスタント系やお茶をたっぷり淹れるときなど、勢いよく注ぎたいときには少し不便に感じる面も。そんなときは Brewista (ブリューイスタ) が使いたくなる。
Brewista | Artisan Gooseneck Variable Kettle
ノズルは大きな曲線を描き、コーヒー粉に至近距離からお湯を注ぐことができるのでコントロールがしやすいのが Brewista の電気ケトル。細くも太くも注ぎやすいので、ポットの中でどれか1台持つならこれかな。ただし容量は電気ポットだと少なめの600ml。
機能面でいうと、FELLOW にはない急速沸騰 (ボタンひとつで100℃に設定できる) が付いてくる。また設定した温度に到達するとピピッと知らせてくれるのはやはり便利だ。電源ベースの表面は強化ガラスなので、汚れも拭き取りやすい。
Beasty Coffee by amadana | コーヒーケトル
温度計&蓋付き、容量はたっぷり700ml。アナログポットの中で一番使いやすいと思うのが Beasty Coffee のコーヒーケトルだ。温度は60℃からしか測れないけど、その分目盛り幅が大きい。なのでドリップ中でも一目で温度を確認しやすい。
鋭いノズルは細くも太くも注ぐことができ、直火にも対応してる。ただしステンレスが剥き出し状態のハンドルはこのまま持つと正直熱い。別売りになってしまうが、僕も付けてる専用のレザーカバーを付けるのがおすすめ。
Simple Real | TAMAGO コーヒードリップポット
温度計も備わったミニマルポットが Simple Real のドリップセット『TAMAGO』のポットだ。コースターのような敷き物もセットなので、無垢材やガラス板の上にも気遣いなく置ける。至れり尽くせりである。
そうそう、このポットはもう随分と長い間在庫がなかったのだが、先日確認すると “在庫あり” になっていた。ドリップバッグや1杯用のポットを探してる人はぜひ選択肢に加えてみてほしい。ナチュラルな木目と白のコントラストがとても可愛い。
珈琲考具 | ワンドリップポット Pro
真下に、細く注げるのは珈琲考具のドリップポット。真下に注げるメリットは、お湯のコントロールのしやすさだ。いつもは斜めに出るので予想しながらドリップするが、珈琲考具だと絶対にここに落ちる、と確信が持てる。
そんな珈琲考具は、金属加工の町として知られる新潟県・燕三条のブランド。ステンレスの品質が高いのだろう。温度計は市販のものを付けることもできるし、同ブランドのもので統一感を出したいならセットアップもおすすめ。
サイズは僕が使う「ワンドリップポット Pro (300ml)」のほかに、直火OKの「ツードリップポット Pro (750ml)」も。ワンはドリップバッグにも使うことが多い。
まとめ
こんな感じで『コーヒードリップポットの選び方とおすすめ5選』という記事を書いてみた。ポットはひとつあれば十分!という人は 600~700ml 以上がおすすめ。それ以下はライフスタイルによって選び分けるのが良いと思う。
ここまで色々と紹介してきたが、もう少し価格低めのものが良いという人は、コスパ最強で知られる山善 (やまぜん) が個人的におすすめ。機能がたっぷり詰まって6,000円ほど。この記事がドリップポット選びの役に立つと嬉しい。